フレンチブルドッグは人工授精が多いと言われますが、人工授精はどうやって行われるの? という疑問を解決!! 実際の人工授精(膣内人工授精)の様子をご紹介します。
フレンチブルドッグはうまく交尾が出来ず、自然交配が難しい犬種です。犬にストレスを与えず受胎率を上げるために、人工授精を行うことが多くあります。
ヒートから人工授精の様子までをまとめてみました。(あくまで一例ですので人工授精の方法はこの限りではありません)
1)事前に
メス犬を所有していて人工授精を希望する際は事前に交配相手のオス犬を探しておきます。ヒートが来るまでに、交配についての取り決めを確認しておきましょう。
2)ヒートが来たら
ヒートが来て出血を確認したらオス犬を所有している人に連絡をしておきます。動物病院でスメア検査やホルモン検査をして、排卵日を確認します。排卵日を考慮して実際の交配(人工授精)の日を確定します。おおよそ排卵日は出血から10日~16日目と言われています。人工授精はその期間内に1回~3回行います。
3)交配当日
- 精液の採取
ここからが実際の人工授精の様子です。
オス犬のところにメス犬が出向くケースが多いと思われます。
犬の場合は陰茎マッサージ法で精液を採取する方法が一般的なようです。ペニスが勃起する前に包皮を亀頭球の後ろまでめくり、亀頭球の後ろからリズミカルに圧して勃起させて精液を採取します。ヒート中のメス犬の陰部のニオイを嗅がせると効果的です。
精液は3回に分けて排出されます。尻尾あたりをピクピクさせているときに精子が排出されています。
【1回目】
前立腺からの透明な分泌液で0.5ml~1ml程の量
【2回目】
精子を多く含む乳白色~灰白色の液で0.5ml~2ml程の量
【3回目】
前立腺からの透明な分泌液で5ml~20ml程の量。
- 精液を採取したら、いよいよメス犬に注入です。メス犬へ注入するための道具は様々あるようですが、今回はこちらのものをご紹介させて頂きます。注射器の先に金属製のパイプを付けた特別なものです。
- これに採取した精子を入れて、メス犬の膣に傷つけないようにそっと深部へ注入します。
- 精子が逆流してくるのを防ぐために頭を低くし、お尻を上げて注入します。
バルーンがついているタイプの注射器を使用する場合はお尻を上げなくても精液が漏れないのでお尻を上げる必要はありません。
- その後、注射器を抜いて更に10分ほどお尻を上げたままの状態を保ちます。
これで人工授精終了です。時間にすると、慣れていれば30分強です。あとは1ヵ月後に、妊娠しているか…… 結果は神のみぞ知ることで、願うばかりです(*^_^*)
画像を使ってのご紹介は賛否両論あるかと思いますが、私たちは疑問に思っている方、今後、交配を考えている方へ少しでも参考になればと思い、公開いたしました。交配するということは新たな命を誕生させることです。生まれてくる子犬はどんなに小さくても大切な命を持っています。その命を守っていけるか、子犬を不幸にさせることは決してないかをよくよく考えた上で決断して下さい。