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交配から出産までのスケジュール

犬の妊娠期間は約58~64日と言われています。

犬は特殊な繁殖能力を持っています。

メスは未熟な卵を排卵してから、排卵後、約60時間で受精能力を持ち、2日間はその効力を保ちます。オスの精子は約5日間はメスの生殖器内で受精能力を持ち続けます。実際に受精するまでタイムラグが発生するのです。つまり、排卵1~2日前に交配しても妊娠する可能性があります。数日間に2頭のオスと交配をしたらその2頭のオスの子犬が生まれる、同期腹妊娠する可能性もあります。同じオスとの間で2度掛け、3度掛けすることは多くありますが、違うオスと交配してしまわないよう、十分に注意しましょう。

妊娠前期(交配日~21日)

この時期は受精卵が子宮に着床する前の時期です。交配してから受精卵が子宮に着床するまで約20日ほどかかります。
まだ受精卵が着床していませんので不安定な時期となります。交配直後は神経質になり、食欲が落ちたり嘔吐することがあります。また、交配18~24日頃は受精卵が着床する時期で、食欲が落ちたり嘔吐するつわりの症状が出る場合もあります。
自然に回復するもので、軽度であれば心配ありません。あまりにひどい場合は獣医さんに相談しましょう。
緩やかに体重が増加しますが個体差があるので妊娠の兆候としては決定的ではありません。その他は行動・容姿と特に目立った変化は見られません。

激しい運動やシャンプーは控え、いつものお散歩程度にしておきます。食事は今まで通りで与えます。栄養価の高い食事やサプリメントは必要としません。

妊娠中期(21日~40日)

【獣医さんへ事前に相談】
受精卵が子宮に着床して安定期へと入ってきます。
この頃から少しずつ乳房が膨らみ、ピンク色になってきます。まれに仮想妊娠の可能性もありますので、30日目ごろに病院へ行き、妊娠しているかの検査を受けて確認しておくと良いでしょう。
フレンチブルドッグの帝王切開を行っていない獣医さんもいますので、かかりつけの獣医さんにお産のときの帝王切開手術についても事前に相談しておきましょう。
妊娠した母犬は交配後4週ぐらいで外陰部から少量の半透明の粘液が出ることがあります。特に排尿後に多いようです。妊娠していないときには見られません。この粘液に悪臭があったり、赤黒い色をしていたら胎児が死亡していたり流産の可能性がありますので獣医さんに相談しましょう。

【難産防止のための軽いお散歩】
外に出てお散歩や軽い運動をしておきましょう。フレンチブルドッグは太りやすく、肥満はお産のときに帝王切開であっても、難産になるなど問題を起こしやすいので要注意!! また、シャンプーもこの時期の母犬の体調の良いときにしておきましょう。シャンプーはトリミングショップなどに依頼する場合、必ず妊娠していることを伝えて依頼するようにします。

【妊娠用の食事に】
病院で妊娠がわかった頃から食事は妊娠授乳期用のフードに切り替えましょう。妊娠授乳期用のフードはカロリーや栄養価が高く、急に切り替えると消化不良で下痢や嘔吐を引き起こす場合があります。急に切り替えず、今までのフードに妊娠授乳期用のフードを2割ほど混ぜて、体調を見ながら1週間ほどかけて徐々に切り替えます。食事の回数も1日に2回~3回与えるようにして、食事の量も徐々に増やしていきます。

妊娠後期(41日~55日)

後期に入ると胎児がぐんぐん成長し、母犬の食欲も旺盛になり、体重も増え続けます。お腹も40日頃から肋骨に近い上腹部が膨らみ、日を追うごとに下腹部が膨らんできます。
50日を過ぎる頃から胎児の動きがわかるようになります。お腹をぶつけてしまわないよう、段差や階段に注意が必要です。抱き上げるときもお腹を圧迫しないように気をつけて下さい。
乳腺もかなり目立ってきます。乳房が膨らみ、ピンク色になります。乳頭からは漿液性の液が分泌します。

50日から55日あたりで胎児の位置と頭数を確認する為、病院でレントゲン検査を行います。母子に影響のないレベルの放射線で検査は行われる為、心配はありません。頭数を確認し、状態を見て帝王切開の日程を獣医さんと相談しておきましょう。
また、思いがけず早く生まれてくる可能もありますので事前に獣医さんに緊急時に対応してくれるかの確認と、緊急時の連絡先の確認をしておきましょう。

食欲が出てきますが胎児が胃を圧迫する為、一度に多く食事をとることができません。好きなときに食事が出来るよう、常にフードを用意しておきましょう。食べてなくなったら足して、また無くなったら足して…と自由採食法にします。
カルシウムやビタミンなどのサプリメントを必要に応じて与えます。勝手な判断はせずに獣医さんと相談しながら進めましょう。

過大児の阻止、体重の均一化の為、体調を見ながら1日20分程度の歩行運動を行うよう心掛けましょう。ただし、散歩を嫌がるようなら無理に連れ出す必要はありません。室内で一緒に遊ぶなど工夫しましょう。
膀胱も圧迫され始めるので、尿の回数が増えてきます。また50日ごろから毎日、朝・晩の体温測定を毎日行うようにします。出産前には体温が下がる為、母犬の普段の体温を知っておくことが重要になります。
この頃から出産準備を整えておきましょう。45~50日ごろにはお産箱を用意して母犬に慣れさせておきましょう。

フレンチブルドッグの出産と準備はこちら >>

妊娠53日~56日目ごろのフレンチブルドッグ

お座りしていても、少しおなかがつかえている感じになり、腰のくびれもだんだんなくなってきます。

妊娠末期(56日~64日)

そろそろ、いつ出産が始まってもおかしくない状態です。常に目が届くようにしておきましょう。食事や生活については妊娠後期同様です。出産前日などは極端に食欲が落ちる母犬が多いようです。
フレンチブルドッグの出産は帝王切開での出産がほとんどです。手術の日程などは事前に獣医さんとよく相談して決めておきましょう。手術の予定日より早く生まれることも当然あります。その場合、どのように進めるかも事前に確認しておくことが重要です。
この頃から体温測定を1日に3回行います。母犬の体温が37度台になればいよいよ出産開始です。体温が下がったり、いつもと様子が違ったら、獣医さんに連絡をしましょう。出産時間は昼夜共にありますが、夜間や朝方の出産が多いようです。

妊娠58日~61日目ごろのフレンチブルドッグ

おなかとおっぱいが日に日にがおおきくなます。座っていても赤ちゃんの位置が確認できるほどになってきます。

妊娠63日~出産当日のフレンチブルドッグ

この数時間後に無事出産しました。この写真の頃には、陣痛が始まりかけていたのかもしれません。このお産では2頭のかわいい赤ちゃんを授かりました。頭数や母犬の状態によっておなかの大きさや体の変化はさまざまです。 あくまで参考程度にみてくださいね。